火災保険を契約する際には、申込書以外に提出すべき書類があります。事前に必要書類を確認し、準備しておくと手続きがスムーズです。また、保険金の支払い対象となる損害が発生した場合も、損害を証明する書類が必要になります。今回は保険契約時と保険金請求時の必要書類を詳しく解説します。
編集者・ライター。編プロ組織『となりの編プロ』代表。 大学在学中にFP3級を取得し、新卒で入社した大手信託銀行に4年半勤務。 住宅ローンや投資信託の営業、法人向け預金商品の営業や研修などを担当したのち、 不動産関連会社へ転職。その後証券会社、IT企業を経て、2017年よりフリーライターとして、 2020年頃より編集者として活動。金融系記事やビジネス系記事を多く制作している。 https://write-edit-kana.com
火災保険の契約前の見積りにはどのような書類を用意すればよいでしょうか。火災保険の見積りに必要な情報は、以下のとおりです。
これらの情報がわかれば見積りが可能なので、この時点でどうしても必要な書類はありません。見積りに必要な情報が確認できる書類には、以下のようなものがあります。
火災保険の契約内容が決まったら、所定の書類を準備して申し込み手続きに進みます。契約の際に必要な書類を、戸建て住宅とマンションに分けて解説します。なお、申し込みの際には建物の情報を確認する資料の他、口座引落しのための金融機関口座情報と届出印が必要です。
一戸建ての火災保険の申し込みに必要な書類には、建物の構造を確認するものと耐火性能を確認するものがあります。
建物の構造を確認する主な書類は、以下のとおりです。
建物が以下の種別に該当する場合、耐火性能を証明する書類の提出が必要です。
耐火性能を確認するためには、以下のような書類を提出します。
分譲マンションの火災保険の申し込みに必要な書類のうち、耐火性能を確認するものは戸建て住宅と同様です。
賃貸マンションやアパートで火災保険に加入する場合に必要な書類は、賃貸契約書のみです。賃貸物件の場合、建物の火災保険は大家さんが加入しています。入居者が加入するのは家財についての火災保険です。賃貸契約書には家財の火災保険加入に必要な物件の構造が記載されています。
火災保険に地震保険を付帯する場合、建物の免震・耐震性能による割引が受けられることがあります。地震保険の割引は条件を満たせば、以下のいずれか一つの適用を受けられます。
耐震等級ごとの割引率は以下のように定められています。
上記の割引のうち、建築年割引の確認書類は戸建て住宅や分譲マンションの「建物の構造を確認する書類」と同様です。その他の、割引の適用を受けるための確認書類は以下のとおりです。
火災保険を契約してから損害が発生し、保険金請求をする場合の書類も見ていきましょう。保険金請求に必要な書類は、以下のとおりです。
火災保険の請求で納得できる金額の保険金をできるだけ早く受け取るには、どうすればよいでしょうか。火災保険の請求を成功させるコツを紹介します。
火災保険の保険金請求に際しては、窓口となる保険会社や保険代理店の担当者と適切に連絡を取る必要があります。まずは損害の発生状況を正しく伝えて、理解してもらわなければなりません。また、手続きに関して担当者から指示を受けることも必要です。疑問点や困ったことも、その都度相談しましょう。
火災保険の補償を受ける場合、自分の契約内容を確認しましょう。「建物のみで家財の保険には加入していなかった」「損害額が免責金額に満たなかった」などの場合、保険金を受け取れない可能性があります。一方、損害保険金以外に費用保険金を受け取れるケースもあります。
契約内容は保険証券で確認が可能です。保険証券を紛失した、または保険証券を見ても契約内容がわからないような場合、保険会社や保険代理店に問い合わせましょう。
火災や盗難などの保険事故が発生した場合、できるだけ速やかに保険会社や保険代理店に連絡しましょう。契約している火災保険の補償対象なのかわからない場合も、保険会社や代理店であれば契約内容が確認できるので、まずは一報を入れるようにします。
また、発生してすぐのほうが損害の証明もしやすく、請求手続きがスムーズに進みやすいです。
火災保険では、損害が発生した日時や原因を保険会社に報告しなければなりません。火災や自然災害によって損害が発生したら、その日時や原因をメモしておきましょう。
ただし、状況によって報告が難しい以下のようなケースもあります。
自然災害で被害があった場合、速やかに保険会社や保険代理店に報告します。しかし、災害が発生して時間がたってから損害に気づくケースもあり、その場合は事故発生日が特定できないかもしれません。保険金の支払いの可否は保険会社が判断するため、事故を報告して結果を待つことになります。
事故発生日を特定するには気象庁のホームページから、災害があった日の気象状況(天気・風速・降水量など)を確認するのも一つの方法です。
盗難被害にあった場合、盗まれた家財を所有していたことを証明しなければなりません。クレジットカードやネットショッピングで購入したものであれば、その利用履歴から所有していたことを確認できます。高価な宝石などは購入した店に記録が残っている可能性があります。
保険金を速やかに支払ってもらうには、請求時に提出する書類を不備なくそろえる必要があります。書類に不備があると再提出などのロスが発生し、結果的に保険金の受け取りが遅くなるからです。保険金請求は慣れない人も多いため、書類の準備でわからない点は担当者に確認するようにしましょう。
建物や家財の損害に気がついたら、損害箇所の写真を多めに撮っておきましょう。保険金の請求には、被害を受けた建物や家財などの全体像の写真と、損害を受けた箇所の状況を確認できる写真が必要です。損害の状況がわかりやすいように、複数の角度から撮りましょう。
また、写真は必ずしも自分で撮る必要はありません。屋根の損害など自分で撮影するのが難しい場合、修理業者に撮ってもらうとよいでしょう。
損害を受けた建物や家財の修理をする場合、信頼できる修理業者を選びましょう。なじみの業者があればそこに依頼するのがベストで、そうでない場合は知人に紹介してもらうとよいでしょう。
最近では「火災保険で住宅の修理ができます」などとうたって保険金をだまし取る悪徳業者が問題になっています。そのような業者によるトラブルに巻き込まれないよう、良心的な業者に修理を依頼することが大切です。
火災保険の請求をした結果、「保険金が支払われなかった」「支払金額が少ない」などの場合、異議申し立てが可能です。契約者からの異議申し立てを受けると、保険会社は再審査を行います。再審査を受ける場合、保険会社が提示する金額の算定根拠に対抗できる、有効な根拠を提示する必要があります。
火災保険に加入する際は、保険金請求も想定して信頼できる担当者のいる保険会社や代理店の選択が大切です。火災保険加入の際に複数の代理店などに見積りを取り、質問に対する回答やレスポンスの早さなどで判断するとよいでしょう。
火災保険の契約時には、保険の対象である建物の構造や建物の耐火性能が確認できる書類が必要になります。適正な保険料の割引を受けるためにも、確実にそろえましょう。
また、損害が発生して保険金を請求する場合にも、必要となる書類を速やかに用意します。損害に気づいたら写真を撮り、保険会社や代理店の担当者と連携して手続きをスムーズに進めましょう。
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