OctoparseとApifyは、どちらもWebデータ収集を効率化できる人気のスクレイピングツールですが、向いているユーザーは大きく異なります。本記事では、「OctoparseとApifyのどちらを選ぶべきか?」という疑問に対して、操作性、料金体系、無料プラン、日本語対応、学習コスト、AI連携、ビジネスでの使いやすさなど、実際に比較検討する際に重要なポイントを分かりやすく紹介します。
結論から言うと、 「プログラミング不要ですぐにデータ収集を始めたい」「日本語サポートを受けながら安定運用したい」という方には Octoparse が、「開発リソースがあり、コードでAIエージェント向けのデータパイプラインを自由に構築したい」という方には Apify が向いています。
「OctoparseとApify、どちらのWebスクレイピングツールを選べばいいのか分からない」――そんな悩みを抱えて比較検討をしている方は少なくありません。どちらも高機能なデータ収集ツールですが、対象ユーザー・操作方法・料金体系がまったく異なるため、目的に合わないツールを選んでしまうと「使いこなせずに解約した」「想定外の従量課金で請求が膨らんだ」といった失敗につながりがちです。 本記事では、実際に両ツールを比較検証した結果をもとに、機能・料金・使い方の違いを整理し、あなたの状況に合わせた選び方を具体的な手順とともに解説します。
Octoparseは、コーディング不要でWebサイトからデータを自動収集できる、ビジュアル操作型のWebスクレイピングツールです。ECサイトの価格情報、Googleマップの店舗情報、SNSの投稿データなど、Web上の情報をクリック操作だけで構造化データとして抽出できます。
Octoparseの最大の特徴は、AIによる自動識別機能です。対象ページのURLを入力するだけで、商品名・価格・画像URLといった繰り返し要素をツールが自動的に認識し、抽出項目の候補を提示してくれます。
さらに60種類以上のテンプレート(Amazon・Googleマップ・X(Twitter)・TikTokなど)が用意されており、URLかキーワードを入力するだけで、タスクをゼロから作らずにデータ取得を開始できます。
有料プラン(Standard以上)ではクラウド抽出に対応し、PCの電源を切っても24時間体制でタスクを実行し続けられます。加えてIPローテーションや自動CAPTCHA解決といったアンチブロック機能を備えており、対策の厳しいサイトでも安定してデータを収集できる点も、ビジネス利用で評価されているポイントです。日本語UIと日本語サポートに対応しているため、海外製ツールに不安を感じる方でも導入しやすいのが特徴です。
執筆者コメント:筆者自身、Googleマップの店舗情報収集にOctoparseのテンプレートを使った際、URLを入力してから実際にデータが取得できるまで5分もかかりませんでした。エンジニアに依頼せず自社のマーケティング担当だけで完結できる点は、実務上の大きなメリットだと感じています。
Apifyは、「Actor」と呼ばれるコンテナ化されたプログラムを実行する、開発者向けのクラウド型Webスクレイピング・自動化プラットフォームです。
公式サイトによると、Apify Storeには45,000種類を超える事前構築済みのスクレイピング・自動化ツール(Actor)が公開されており、Google マップ、Instagram、Facebook、TikTokなど主要サイト向けのActorをレンタルしてすぐに使うことも、JavaScriptやPythonでオリジナルのActorを開発することも可能です。
料金は「コンピュートユニット(CU)」という指標に基づく従量課金制で、1CUは1GBのメモリを1時間使用した量に相当します。月額プランにはそれぞれの月額料金と同額のプラットフォーム利用枠が付与され、使い切ると追加費用が発生する仕組みです。
近年ではMCP(Model Context Protocol)サーバーを通じてAIエージェントにActorを直接呼び出させる機能も提供しており、生成AIや自動化ワークフローに組み込むデータ収集基盤として、開発者コミュニティを中心に利用が拡大しています。ただし、UIやドキュメントは基本的に英語であり、コンピュートユニットや従量課金の仕組みを理解していないと想定外の請求につながる可能性がある点には注意が必要です。
両ツールともWebスクレイピングを実現する点は共通していますが、「誰が」「どうやって」「いくらで」使うのかという前提がまったく異なります。以下の比較表に、両者の違いを整理しました。
表からも分かる通り、Octoparseは「操作の分かりやすさ」と「料金の予測しやすさ」を重視するユーザーに適したノーコード型のデータ収集ツールです。特に、プログラミングの知識がない方や、社内にエンジニアがいないチームでも、画面上の操作だけでWebサイト上のデータを効率的に収集できます。
Apifyは「開発の自由度」と「大規模・複雑な処理への対応力」を重視するユーザー向けに設計されています。皆様が両者の違いを最もわかりやすく理解するように、以下はGoogleマップ スクレイピングを例に詳しく紹介します。
Apifyの設定には、JSONペイロードの作成が含まれます。検索キーワード、対象地域、ズームの深さ、使用する言語などをActorに指示します。ドキュメントを読み解き、設定を変更する知識があれば迅速に完了します。しかし、パラメータを一つ忘れたり、JSONのフォーマットを誤ったりすると、Actorは正常に動作しません。
一方、Octoparseは非技術系のユーザーにとっても非常に直感的です。マップ上を直接クリックしてカスタムワークフローを構築することも可能ですが、その必要はほとんどありません。OctoparseのGoogleマップスクレイパーテンプレートが、 無限スクロール 、プロファイルのクリック、データ取得などの処理をすべて代行します。「コーヒー」のようなキーワードを入力するだけで、すぐに抽出が開始されます。
どちらのツールも、必要なデータを正確に取得する機能に優れています。
正常に機能した場合、ApifyとOctoparseの両方で以下のデータを取得できます。
標準的なリストフィールドに加えて、OctoparseはPlace ID(請求時の自動重複排除に使用)、価格帯、現在の営業状況、曜日ごとの営業時間、および1週間の人気訪問時間帯も取得します。これらのフィールドをApifyで取得するには、追加の設定や個別のActorの実行が必要になります。
Apifyは、複数のクラウドインスタンスにまたがる並行実行をサポートしています。日本全土の数千の場所をスクレイピングする必要がある場合、コストをカバーするコンピュートクレジットがあれば、多数のActorジョブを同時に実行できます。
Googleは、マップのビューポートごとに各キーワード検索を約120件のリストに制限しています。OctoparseのGoogleマップスクレイパーは、対象エリアをより小さな検索ポイントのグリッドに分割し、それぞれを個別にクエリしてポイントごとに最大120件の結果を収集することで、この制限を回避します。これにより、1回の検索で返される上限をはるかに超える規模での全体抽出が可能になります。Octoparseは都市を数十から数百の重なり合うグリッドポイントに分割するため、抽出の総量は検索ごとの上限ではなく、エリアに比例して拡大します。
Octoparseのクラウド抽出はリモートサーバー上で24時間稼働するため、PCを開いたままにしておく必要はありません。大規模な都市全体の抽出を含め、営業、マーケティング、および調査のほとんどのユースケースにおいて、これで十分に対応可能です。Apifyも非常に高い同時実行性が求められるエンタープライズのワークロード向けに複数のジョブを並行して実行できますが、それに比例して高いコンピューティングコストが発生します。
また、見落とされがちなコストリスクにも注意が必要です。Apifyでは、設定した制限が常に維持されるとは限りません。 G2のレビュアー は、Actorの入力で厳密なアイテム上限を設定したにもかかわらず、スクレイピングが意図したよりもはるかに多くの結果を返し、プラットフォームがそのすべてに対して課金したケースを報告しています。ジョブを設定して放置する非技術系ユーザーにとって、これは現実的な予算超過のリスクとなります。
OctoparseのGoogleマップスクレイパーには、キーワードごとの厳格な上限として機能する「抽出する場所の数」パラメータが含まれています。10件の結果を要求すれば10件のみが取得され、そこでクレジットの消費も停止します。
Googleのスクレイピング防止策は非常に強力です。
Apifyを使用する場合、プロキシの管理は主にユーザー自身の責任となります。Apify Proxyは有能なプロキシサービスですが、住宅用IPをローテーションさせるためにはActor内で適切に設定する必要があります。設定を誤ると、データセンターのIPアドレスはGoogleによってほぼ即座にブロックされます。
Octoparseは、この問題をシステム側で処理します。クラウド抽出を使用すると、バックグラウンドでIPローテーションが自動的に行われます。このシステムは、ランダムな遅延を追加し、自然なスクロールを行い、IPを変更して抽出を継続することで、人間がウェブを閲覧しているかのように振る舞うように設計されています。独自のPuppeteerスクリプトを書く代わりにOctoparseを使用する場合、「ブロックされるのではないか」という懸念は大幅に軽減されます。
価格設定は、両者を区別する最も重要な要素です。
Apifyは従量課金制を採用しています。プロキシの使用量と、サーバーがコードを実行する時間であるコンピューティング単位(CU)に対して料金を支払います。単発のタスクであれば、これは費用対効果が高い場合があります。しかし、定期的なスクレイピングを実行するチームにとっては、請求額が予告なく変動する可能性があります。GoogleがUIを変更した際、Actorが無限ループに陥り、週末だけで1ヶ月分のクレジットを使い果たしてしまった経験があります。
Apifyの請求に関する複雑さは、単なる個人的な経験ではなく、プラットフォームに対する最も一般的な不満として記録されています。G2の415件以上のレビューの中で、「価格設定の問題」は最も多くタグ付けされたネガティブ要素であり、88回も登場しています。その理由は構造的なものです。Apifyは、月額サブスクリプション料金と、コンピューティング単位に上乗せされる結果ごとのActor料金という、2つの別々のレイヤーで課金します。特にGoogleマップの場合、CUの消費とプロキシの帯域幅を考慮すると、有料プランであっても1,000件のリスト抽出につき7ドル以上かかることがあります。未使用のクレジットは月末に繰り越されません。定期的なスクレイピングを実行するチームにとって、この組み合わせは月々の支出予測を非常に困難にします。
Octoparseは、定額制の階層型SaaS サブスクリプションモデル を採用しています。 Googleマップスクレイパー テンプレートは1,000件の結果につき2ドルであり、現在はPlace IDによる自動重複排除機能が備わっているため、複数の類似キーワードを実行するユーザーに対して重複したリストの料金が請求されることはありません。「抽出する場所の数」パラメータを使用すると、キーワードごとに結果の上限を設定でき、クレジットの超過を防ぐこともできます。定期的なスクレイピングが必要なチームにとって、Octoparseの料金体系は予測可能であり、プロキシとコンピューティングを含めたApifyの総コストよりも大幅に低く抑えられます。
どちらを選ぶべきかは、「誰が運用するか」「どのくらいの頻度・規模でデータを使うか」で決まります。以下のようなタイプ別に整理すると判断しやすくなります。
「データは欲しいが、エンジニアに毎回依頼するコストや時間をかけたくない」というのは、営業・マーケティング担当者の多くが抱える共通の悩みです。Octoparseは、その課題を解決するために設計されたツールです。
Octoparseの強みを、この課題に対応する形で整理すると次の通りです。
具体的な操作の流れは次のセクションで解説しますが、まずは無料プランでダウンロードし、テンプレートを1つ試してみることで、コードを書かずにデータが取得できる体験を数分で確認できます。
競合情報も営業リストも、ウェブデータをそのままExcel・CSV・Google Sheetsに出力
コード不要、誰でも今日から。クリック操作だけで必要な項目を自動抽出
Google Maps・食べログ・iタウンページ向けテンプレートで、リード獲得をすぐに開始
クラウドで毎日・毎週自動実行。大量取得でも安定して、競合動向を常に把握
MCP対応でAIエージェントと連携。収集データをAIに渡して分析・活用まで一気通貫
クレジットカード不要で無料スタート。世界600万人以上が選んだ信頼のツール
Octoparse でのデータ収集は、大きく分けて次の6ステップで完了します。ここではGoogleマップの店舗情報を例に、実際の操作フローを解説します。
ダウンロードしインストールしてから、アカウントを作成する(無料・クレジットカード不要)
対象サイトのURLを入力するか、テンプレートからGoogleマップスクレイパーを選択する
画面に表示されたデータプレビューを確認し、店舗名・住所・電話番号・評価点など、取得したい項目を選択する
自動生成されたワークフロー(クリック・ページ遷移などの手順)を確認し、必要に応じて手動で調整する
ローカル抽出」で小規模にテスト実行するか、有料プランなら「クラウド抽出」でPCを閉じても継続実行できる
抽出完了後、Excel・CSV・JSONなどのファイル形式、またはデータベース・Google Sheetsへ直接エクスポートする
テンプレート活用のポイント: Googleマップスクレイパー のようにあらかじめ用意されたテンプレートを使う場合、データプレビュー画面で取得可能な項目(店舗名・住所・電話番号・営業時間・評価・レビュー数など)を事前に確認できるため、目的のデータが取得できるかを試行錯誤なしに判断できます。
同様に、ECサイトの価格調査には Amazon商品レビュースクレイパー 、SNS上のアカウント・投稿情報の収集には X(Twitter)スクレイパー や SNS情報取得スクレイパー 、問い合わせ先の収集には 連絡先スクレイパー が用意されており、業種・用途に応じて使い分けられます。
https://www.octoparse.jp/template/google-maps-store-listing-scraper
https://www.octoparse.jp/template/amazon-jp-review-details-scraper
https://www.octoparse.jp/template/amazon-japan-product-scraper
さらに、Octoparseは MCP連携にも 対応しており、AIプラットフォームと接続することで、自然言語による指示だけでデータ抽出を実行できます。これにより、データ収集プロセスの自動化を進め、手作業にかかる時間をさらに削減できる点も大きなメリットです。
Apifyでのデータ収集は、Octoparseとは異なりコンソール操作とコード実行を組み合わせるスタイルが基本です。代表的な流れは次の通りです。
Apifyは、取得したデータをそのままAIエージェントやRAG(検索拡張生成)システムに接続できるMCP連携にも対応しており、社内の自動化パイプラインに組み込みたいエンジニアにとって柔軟性の高い選択肢です。ただし、Actorごとに料金体系(レンタル料や結果単位課金)が異なるため、大規模運用の前には少量のテスト実行でコストを確認しておくことが重要です。
ここでは、実際の検索ニーズやユーザーコミュニティでよく寄せられる質問に回答します。
はい、制限はあります。Octoparseの無料(Free)プランは、10件までのタスク作成、1台のデバイス、ローカル抽出のみ、月間最大5万行・1回のエクスポートあたり最大1万行という上限があります。クラウド抽出やIPローテーション、自動CAPTCHA解決、APIアクセスといった機能は有料プラン(Standard以上)でのみ利用可能です。個人の学習や小規模なデータ収集、有料プランへ移行する前の検証用途には十分な内容ですが、定期的な自動収集や大量データの取得を行う場合はStandardプラン(年払いで月額$99〜)へのアップグレードを検討するとよいでしょう。
Apifyは「月額プラン+従量課金」のハイブリッド型です。公式サイトによると、Freeプランは$0で毎月$5分のプラットフォーム利用枠が付与され、クレジットカード登録も不要です。有料プランはStarterが月額$29、Scaleが月額$199、Businessが月額$999で、いずれも月額料金と同額のプラットフォーム利用枠(プリペイド利用料)が含まれ、それを超えた分は従量課金(コンピュートユニット単価は$0.2〜$0.13/CU)として追加請求されます。実際の費用は使用するActor(スクレイパー)の種類や実行時間、プロキシ利用量によって変動するため、本格運用前に少量のテスト実行でコストを確認することが推奨されています。
Octoparseのフリープランは完全無料($0)で、クレジットカードの登録も不要です。永久に無料で利用でき、10件のスクレイピングタスク、1台のデバイスでのローカル抽出、Excel/CSV/JSON/HTML/XML形式でのエクスポート(月間最大5万行)が可能です。有料プランへ切り替える際も、Standardプラン(年払いで月額$99)・Professionalプラン(年払いで月額$249)・Enterpriseプラン(個別見積もり)から選べ、すべての有料プランに5日間の返金保証が付いています。
両ツールとも対応しています。OctoparseはJavaScriptやAJAXを使った動的サイトのスクレイピングに対応しており、無限スクロールやドロップダウン選択、フォーム入力といった操作もワークフローとして自動記録できます。Apifyも、ヘッドレスブラウザ(PlaywrightやPuppeteerベース)を使ったActorを利用することで、動的にレンダリングされるページから安定してデータを取得できます。ただし、強力なアンチボット対策が施されたサイトでは、Octoparseは住宅用プロキシや自動CAPTCHA解決(Professionalプラン以上)、Apifyは有料プランでの高品質プロキシの利用が実質的に必要になるケースが多い点は共通しています。
Octoparseはテキスト、画像URL、リンクURL、価格、評価スコア、住所、電話番号など、Webページ上に表示されるほぼすべての構造化データを収集できます。あらかじめ用意されたテンプレートを使えば、ECサイトの商品名・価格・レビュー数、Googleマップの店舗名・住所・電話番号・評価、SNSのプロフィール情報や投稿内容、求人サイトの職種・給与・勤務地といった項目をクリックだけで抽出可能です。取得したデータはExcel・CSV・JSON・HTML・XMLへのファイル出力のほか、MySQLやPostgreSQLなどのデータベース、Google Sheetsへも直接エクスポートできます。
この記事では、 OctoparseとApifyのどちらを選べればいいのかについて詳しく紹介しました。 OctoparseとApifyは、どちらも優れたWebスクレイピングツールですが、優劣で選ぶものではなく「自分の状況に合っているか」で選ぶべきツールです。
特にコストを固定して予算管理をしたい方、非エンジニアでもすぐに成果を出したい方には、無料プランから始められる Octoparse がおすすめです。まずはテンプレート一覧から気になるサイトのデータ収集を試し、自社の業務にどれだけ活用できるかを体感してみてください。