AED 勇気持って救命を 迅速な応急措置カギ

AED 勇気持って救命を 迅速な応急措置カギ

学生ならではの視点で気になることを調査し、発信している椙山女学園大(名古屋市千種区)の新聞報道部。「救急の日」(9月9日)を含む1週間は救急医療週間で、本学でもAED(自動体外式除細動器)講習会が開かれた。応急手当ての実技を体験し、名古屋市消防局の担当者に取材した。

目の前で突然、人が倒れてしまった! そんな緊急時には、誰もが命を救うためにできることがある。胸骨圧迫による心臓マッサージとAEDの使用をセットにした応急手当てだ。心臓は血液を全身に送って酸素や栄養を運んでいるが、心停止に陥ると、意識を失い反応をなくす。しかし、一刻も早い救命措置で誰にでも救える命がある。

講習会ではまず、応急手当ての説明があった。倒れた人がいたら周りや自分の安全を確認し、路上なら安全な場所へ避難する。次に反応を確認し、応答がなかったら周りに助けを求め、119番とAEDを依頼。普段通りの呼吸が行えていなければ、胸骨圧迫と人工呼吸を30対2の割合で行い、AEDを使ったら、また胸骨圧迫をする。参加者はグループに分かれ、人形を倒れた人に見立て実技講習を受けた。

胸骨圧迫は、間接的に心臓を圧迫することで、全身の臓器に血液を送り込み、酸素不足で働かなくなってしまうのを防ぐ重要なプロセスだと中高の授業で学んだ。実技もできると思っていたが、実際には手順を覚えていなかった。胸の真ん中、胸骨の下半分に自分の手首に近い部分を置き、もう一方の手を重ねたら、肘を伸ばして肩の真下で垂直に5センチ押す。「強く、速く、絶え間なく」1分間に100~120回ほどテンポ良く。相当な力が必要で、間断なく行うには自分一人では少し難しい。助けを借りることも重要と感じた。

名古屋市救急救命研修所の渡辺隆一所長補佐(41)に改めて説明を聞いた。AEDは心臓に電気ショックを与え、正常な動きに戻すための医療機器。胸骨圧迫や人工呼吸と組み合わせることで効果を生む。病院搬送までの救命の連鎖の一部を市民が担える点で重要という。

渡辺さんは「講習会では、もしもの時に必要な応急手当ての知識や技術を身につけるが、実際に目の前で人が倒れた時、救命に不可欠な最初の一歩を踏み出す勇気を持ってもらうことも目的の一つ」と説明する。

AEDが音声案内に従って操作できても、心肺蘇生に不安やためらいを覚える人は少なくないだろう。渡辺さんは「目の前に倒れている人は誰かにとって大切な人。助かったらと想像したら、勇気を持って迅速に行動することも可能になるのでは」と話す。そのためにも講習会への参加を呼びかける。

目の前で人が倒れたら、私も怖くなって何もできないかもしれない。しかし、その人が助かる可能性は、そばにいる自分にしかつくれないケースもある。全国AEDマップに登録されている名古屋市内のAEDは今年8月時点で約1300台。いざという時に、勇気を出して行動できるようになりたい。

(情報社会学部2年、顧問・脇田泰子教授)

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