酒類総合研究所理事長 大串憲祐さん62(東広島市)
国内唯一の酒に関する国の研究機関「酒類総合研究所」(東広島市)の理事長に今春、就任した。「国産の酒の輸出が増えていく中、基礎研究や技術者の教育訓練などで下支えをしたい」と抱負を述べる。
京都大大学院で小麦の研究に携わり、サッポロビールに就職。「就職する時、教授に聞いたんですよ。サッポロに行ったら、ビール飲めるんですかねって。そうしたら、『そりゃ、飲み放題だろ』ってことだったので」と笑う。
大麦やホップの研究を続けてきたが、次第に研究室を出て、生産者とのやりとりや、海外を往復することが増えていった。「研究者というよりマネジャーでした。生産者との信頼ができて、来年も君のために作ろうか、と言われて。一緒に新しい価値を作る 醍醐 味を感じました」
会社でのキャリアが終わろうとしていた2021年、酒類総合研究所から理事にと声がかかった。ビール原料ならともかく、発酵や醸造、微生物の研究をしたことがなかった。「こんなやつでいいんですか、と聞くと、今後は海外とやりとりできて技術のわかる人が必要だと言われ、お役に立てるかも」と引き受けた。
東広島市に単身赴任。多忙な日々を送るが、趣味は「飲み鉄」。JR芸備線に乗って広島三次ワイナリーに立ち寄ったり、呉線では竹原で途中下車して地酒を手に入れたり。「西条も、竹原も、安芸津も、呉も、倉橋島もおいしいお酒がありますねぇ」。話が止まらなくなった。(正田和也)