水俣病撮り続けた報道写真家・桑原さんの半生 映画に

水俣病撮り続けた報道写真家・桑原さんの半生 映画に

公害の原点とされる水俣病を60年以上にわたって追い続けている報道写真家の桑原史成さん(89)(東京都)の半生を描いたドキュメンタリー映画「100万カットの記憶」の上映が25日、熊本市中央区の「Denkikan」で始まった。水俣病のほかにも、激動の韓国やベトナム戦争といった歴史の転換点をファインダー越しに見つめる姿に迫っている。10月1日まで。

桑原さんは1936年、島根県津和野町で生まれた。東京都内の大学と写真学校を卒業して進路を決める際、週刊誌で特集されていた水俣病問題に刺激を受け、60年に水俣に入った。以来、現地に何度も足を運び、水俣病の実相を伝える写真家の先駆者として知られるようになった。

映画は、桑原さん自身が「歴史の生き証人」として素朴な語りを務め、様々な逸話を交えて進む。患者家族との交流のほかに、出張先の韓国で出会った妻・和子さんとのなれそめなども描いている。2024年5月1日の水俣病慰霊式で、高さ数メートルの脚立から撮影したり、読売新聞東京本社の元写真部長が桑原さんの人柄を紹介したりする場面もある。

作品では、日韓国交正常化の前夜から現代に至る韓国の姿や各地の戦場の記録を通し、写真が持つ力を訴えている。

劇中では、桑原さんがこれまでに切ったシャッターの数を「100万カットくらい」と語っており、邦題につながった。英題は「A PORTRAIT OF PHOTOGRAPHY」。韓国人のコ・ヒヨン監督、1時間38分。

Recommended articles