老い創作落語題材に、年100回以上披露 介護経験踏まえ・・・熊谷のケアマネ・内村さん

老い創作落語題材に、年100回以上披露 介護経験踏まえ・・・熊谷のケアマネ・内村さん

高齢者が直面する「老い」や「死」を題材にした落語で高座に上がり、依頼が絶えないケアマネジャー(介護支援専門員)がいる。熊谷市在住の内村英徳さん(63)は、自身の介護経験を踏まえた創作落語を県内外で年間100回以上、披露している。「だれにでも訪れる人生の終わりについて考えるきっかけに」と精力的に活動を続ける。(佐藤秀憲)

同市の公民館で今月2日に開かれた講演会には、地域住民ら約50人が集まった。内村さんは「介護亭 楽珍 」の高座名で登場。「認知症が怖くて 歳 が取れるか」の演目で、認知症予防に躍起になる行政や対策に翻弄される住民の姿などをユーモアたっぷりに表現した。

その後は、認知症と物忘れの違いを具体的な事例を挙げながら説明した。参加者からは「認知症について考えさせられた」「笑って元気になれた」との感想が寄せられた。

同市出身の内村さんは、短大を卒業後、医療機関で医療事務に携わった後、2003年に群馬県安中市の高齢者施設に転職。副施設長を経て、ケアマネジャーとして居宅介護支援に従事している。

落語を始めたのは19年。仕事では、終末期ケアや延命治療、 看取 り、認知症、人生の最期に備える「終活」などの重たいテーマと日々向き合う。「利用者との触れ合いを通じ、老いや死とはどういうことかを教えてもらっている。得られた教訓を笑いを取り入れた表現方法で伝えたい」と思いついた。

もともと東京都内の寄席や独演会に通うほどの落語好き。プロの落語家の所作や話し方をユーチューブの映像も使って学んだ。現在の落語は認知症、終活、法律、金銭問題をテーマにした6席。すべて自分で考えたオリジナル作品だ。

口コミやネットで評判が広がり、公民館のサロンや研修会、市民講座などへの出演依頼が県内外から相次ぐ。昨年は約120回に上り、今年は150回に達しそうだ。内村さんは「誰しも年を取れば人の世話になる。家族や友人、近所の人など、支えてくれる人との信頼関係を日ごろから築くことの重要性などを伝えている。そうした人生を豊かにするヒントが受け入れられているのでは」と話す。

落語の後、参加者を見送る際、「ためになった」と声をかけてもらえる機会も増えた。「介護の経験を生かし、対極にある『死』と『笑い』を結び付ける独自のネタで、多くの人に発信を続けていきたい」と決意を新たにしている。

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