フラワーデザイン「北欧と和の融合」に導いた日本での出会い

フラワーデザイン「北欧と和の融合」に導いた日本での出会い

フラワーアーティストのニコライ・バーグマンです。今回は私のフラワーデザインのスタイルである「北欧と和の融合」について、お話ししたいと思います。

私が初めて日本に来たのは、1996年。デンマークで花の専門学校を卒業し、卒業旅行で日本を訪れました。その時には日本に特別な思い入れがあったわけではなく、父親の仕事の取引先があることで、父親に勧められたからという理由だけでした。

卒業旅行といっても、3か月ほど日本に滞在しました。見たことがない東京の高層ビルに圧倒され、都市のスピードの速さにとても驚きました。中でも印象的だったものの一つは、京都で見た神社仏閣や着物など、渋い色合いや細部にまでこだわった伝統工芸のすばらしさでした。

その後、デンマークに帰国し、フラワーショップで働きますが、デンマークとは何もかもが異なる日本での刺激的な日々、そして、日本でのフラワービジネスに可能性を感じ、1999年より日本に住み始め、最初は3年のつもりが、今では25年以上になっています。

日本で花の仕事をする中で、自然と確立されていった自身のフラワーデザインは、母国のデンマークがある北欧と日本を融合したスタイルです。

ヨーロッパのフラワーデザインは、360度どこから見ても美しいラウンドスタイルなどが特徴のひとつです。そして、赤、ピンク、黄色やオレンジなど、わかりやすい明るい色の花を多く使う傾向にあります。北欧デザインは、造形的なフォルムや洗練されたミニマルなスタイル。私が日本から影響を受けたのは、枝や実ものなどを取り入れること、ニュアンスのある落ち着いた色合いの花を使うこと、ディテールにこだわり抜いたデザインなどが挙げられます。

私がこれまでフラワーアーティストとして活動する中で、新しい人やモノ、場所と出会い、そこから得たインスピレーションと自身のフラワーデザインを組み合わせることによって、自分の想像を超える新しい創作が生まれてきたと感じています。新しいモノを生み出す時には、「これはこうでなくてはいけない」といった既成概念を捨てることが重要だと思っています。その結果、北欧と和を融合した独自のフラワーデザインが生まれました。

私にとって、とても大切な場所のひとつに、福岡の太宰府天満宮があります。人と人の出会いから初めて太宰府天満宮に足を踏み入れた時、なぜかわからないけれど、ここは特別な場所だという感情が湧き起こりました。太宰府天満宮は、1100年以上の歴史を誇る神聖な場所。ここで自分の作品を披露できたら……そんな希望を口にしてみたところ、実現できる機会をいただきました。初来日した時に大きな衝撃を受けた神社は、自分にとってまさに日本を象徴するような場所。そこで、自分の展示会を行うのは、北欧と和の融合の真骨頂だと感じています。

みなさんも花を飾る時、既成概念を捨てて自由な発想で楽しんでほしいと思います。花瓶に挿すだけではなく、葉を巻く、葉を重ねる、あえて枝を折り曲げる、実を散らす、花瓶ではない器を使うなど、常識にとらわれないちょっとした工夫で、思いがけないステキな作品が生まれると思います( 花瓶ではない器を使った簡単なアレンジメント )。

昨年、フラワーボックス誕生25周年を記念して「KUMIAWASE」という展示会を開催しました。その展示会で披露した作品をはじめ、太宰府天満宮を舞台に作った作品など、25年にわたる私の作品をまとめた写真集が完成しました。私の作品がみなさんの何かのインスピレーションに 繋 がることがあれば、こんなにうれしいことはありません。

今回掲載されている画像はすべて、今月1日発売の写真集『KUMIAWASE 組み合わせ』に収録しています。

〈 Information 〉 2025年に開催されたフラワーエキシビション「KUMIAWASE」をきっかけに制作されたこの写真集「 KUMIAWASE 組み合わせ 」には、フラワーアーティスト、ニコライ・バーグマンがこれまでに発表してきた貴重なアーカイブ作品に加え、新たに撮り下ろしたフラワーアート作品を収録。一輪一輪の個性を尊重し、異なる花や植物を組み合わせることで生まれる新たな美しさとともに、創作の原点やクラフトへのこだわり、色彩やフォルムの捉え方など、25年にわたり培われてきたニコライ・バーグマンの創作哲学をご覧いただけます。

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