[青木さやか お金を学ぶ]円安 どう備えればよいのか…円だけに資産を集中させない

[青木さやか お金を学ぶ]円安 どう備えればよいのか…円だけに資産を集中させない

マネー初心者でタレントの青木さやかさんが、投資アドバイザーの代田秀雄さんから学びます。今回のテーマは円安。この数年、円安が進み、7月には約40年ぶりとなる1ドル=163円台を記録しました。円安に備えた資産運用はどうしたらいいのか、ポイントを整理します。(木引美穂)

青木 使っているiPhone(アイフォーン)の画面が壊れたので、買い替えも検討したのですが、高くて……。

代田 円安なので、日本では海外製品の価格が上がっていますよね。

青木 はい、これが円安かと実感します。ただ、円安の影響について、まだ、理解がしっかり追いついていないのかもしれません。

代田 円安になると、食料やエネルギーなど、輸入しているモノの価格が上がるので、食費や電気代、ガス代、ガソリン代などが上がります。

企業努力もあるので、円安になった分がそのまま値上がりに直結するわけではないですが、個人の生活者にとっては生活のコストが上がるだけで、あまりいいことはないかもしれません。

青木 インフレ(物価上昇)につながるというわけですね。

青木 円安になった時には、何をすればいいですか。周囲の人には「資産をドルで持っていたほうがいいよ」と言われます。

代田 普段の生活費に使う部分は円で持つしかありません。一方、将来のための資産は、円安になっても円高になっても大丈夫なように、円だけに集中させないということは必要です。外国株式など、海外資産を組み入れた金融商品も選択肢になります。

代田 ドルを現金や預金で持つこともできます。ただ、外貨預金は為替変動や手数料の影響を受けます。長期の資産形成という点では、通貨を持つことと、株式などに投資することは分けて考えたほうがよいでしょう。

青木 では、ドルに換えて、そのドルで何かを買うということですか? アメリカの株とか?

代田 海外の銘柄の株を買うこともできます。でも、いつ円からドルに換えるか、どの銘柄を買うか、いつ買うかなど考えるのは大変ですよね。

代田 初心者には海外株式に投資する投資信託がお勧めです。全世界株や先進国株などの株価指数に連動する投資信託があります。

実は、青木さんが積み立て投資をしている、「オルカン」と呼ばれる投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」も、日本株が約5%で、残る約95%は為替の影響を受ける海外株式なんですよ。

代田 「オルカン」を日本円で購入すると、円を投資先の通貨に交換し、それぞれの国の株式に分散投資し、株価の変動で配当などの収益を得ています。現在の投資先はアメリカが63%、日本が5%、その他先進国が20%などです。

運用の成果を反映した基準価額(1口あたりの値段)は日本円に換算して算出しているので、たとえ投資先の通貨での株価が変わらなくても、円安になるだけで基準価額は上がります。

代田 毎月定額で、オルカンなどの投資信託に積み立て投資をしている場合、円安になると基準価額を押し上げるので、買える量(口数)は減ります。円高になると、基準価額を押し下げるので、買える量は増えます。値段が高い時には少なく、安い時には多く買う方法を「ドルコスト平均法」と言います。

株価などが同じ条件ならすでに保有している分の評価額は円安になると増え、円高になると下がります。

青木 なるほど。では、積み立て以外に「10万円あるから追加で投資信託を買おう」という時は、円高の時に買ったほうがいいということですよね。

代田 理論上はそうですね。けれど、「今、円高だ」と思った時が、本当に円高かどうかって分からないでしょう。来年、1ドル=200円になっているかもしれません。

代田 本当に為替は分からないです。なので、「次に円高になったら買おう」とタイミングを待って資金を寝かせるより、市場にいる時間を長くしたほうが、期待リターンを得る機会は増えます。

青木 円高を待つ必要はないんですね。安心して毎月の投資を継続します!

円安になっても何をしたらいいか分からなくて、不安だったのですが、すでに自分が海外の資産を持っているということが分かって驚きました。これまで積み立て投資をしてきたことが、知らずに円安への備えになっていたとは。

夜中に一人でスマホを見ていて、昨日と比べて上がったり下がったりしていると、「今だ!」と追加投資したくなるんですが、そうやってタイミングを計るのではなく、毎月積み立てをしていくことが大事ですね。

◇あおき・さやか 1973年、愛知県生まれ。フリーアナウンサーを経て、タレントに。俳優やエッセイストとしても活躍。「母」「お金まわりを見直したら人生が変わった」など著書多数。

◇しろた・ひでお 1962年、長野県生まれ。大手資産運用会社などに勤め、「オルカン」と呼ばれる投資信託の生みの親として知られる。近著に、「オルカン思考 世界経済を味方につける『長期投資』の教科書」(Gakken)。

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